アルカイダの奥深い話(ことの発端となるムジャーヒディーン・シューラ会議)もわかりやすく解説します。
マリのホテル襲撃、アルカイダ系組織が犯行声明 27人死亡
という「またテロ?」と、目が点になるニュースが流れました。
内容をまとめます。文末に、皆さんの知りたい!に回答する「なぜなに解説」を書きました。
まずは、
AFPBB Newsのまとめから、お伝えします。
■テロ事件の現場は、マリの首都バマコ。
■武装集団の襲撃を受けたのは、高級ホテル「ラディソン・ブル」
■画像は、ホテルから救出された人質を避難させる治安部隊や部隊の車両。
■事件の解説ダイジェスト
西アフリカ・マリの首都バマコ(Bamako)で20日、イスラム過激派とみられる武装集団が高級ホテルを襲撃。
宿泊客ら約170人を人質に立てこもった。
事件は、発生から9時間後に特殊部隊が突入、
人質を救出した。
少なくとも27人の遺体が見つかった。
国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系武装勢力「アルムラビトゥン(Al-Murabitoun)」が犯行声明を出している。
現場のマリ軍当局筋は、「人質事件は終了した。現在はホテルの安全確認作業を行っている最中だ」と述べた。治安当局筋によると、少なくとも27人の人質が死亡したという。救出作戦にはフランスの特殊部隊も参加したという。
■意外なハプニング
作戦には、襲撃を受けたホテル「ラディソン・ブル」からほど近い米国大使館で会議に出席していた米特殊部隊員2人も参加し、米国人人質6人の救出に協力した。
■どんなホテルか?
「ラディソン・ブル」は西アフリカ随一の高級ホテルとして名高く、世界中から実業家や旅行客、政府関係者などが訪れる。
■目撃情報
目撃者は今回の事件について、十数人の武装集団が襲撃してきたと話している。
が、マリ軍当局筋は「テロリスト3人が射殺されたか自爆した」と報告。
容疑者の数は最大で4人だとしている。
■ベルモフタール容疑者が主導か
犯行声明を出した武装勢力「アルムラビトゥン」は、アルジェリア人のモフタール・ベルモフタール容疑者を指導者として、2013年にアルカイダの西アフリカ支部として結成された組織。
カタールを拠点とするテレビ局「アルジャジーラ」が報道した犯行声明録音では、男の声で「われわれアルムラビトゥンは、『イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQIM)』の兄弟たちとともに、ラディソンホテルにおける人質作戦を実行した」と話している。
ベルモフタール容疑者は2013年1月にアルジェリアの天然ガス施設が襲撃され、日本人を含む少なくとも38人の人質が死亡した事件の首謀者とされる。
……………………………………
わかりやすい!「なぜなに」解説
■なぜ、起きたか?
とても簡単なひとことで回答します。
恨みがあるから。
■誰に対する何の恨みか?
西側諸国全体に対する恨みです。
過去に、イスラム教徒は、西側諸国、つまりキリスト教徒などの西洋人に大量虐殺されてきました。
イスラム教をとなえた預言者ムハンマドは、人を一人殺したら、その国の国民を全員殺したのと同じだ、と説いています。
イスラム過激派は、その教えに従って、今でもまだ、西側諸国に報復しようとしています。
その結果が、テロです。
彼らにとっては、戦争はまだ終わっていないのです。
テロというと、現代用語に感じますが、原因は遠い昔の出来事にあります。
ずっとつながっているのです。
アメリカ主導の有志連合と、少しでも関わると敵と見られて攻撃の標的になります。
問題は、攻撃の順番です。
彼らはどういう基準で、順番を決めているのか?にも、フォーカスを当てて、ずっと調べていかないとなりません。
■なぜ、そのホテルの宿泊客が標的になったのか?
宿泊客は、世界中の実業家や旅行客、政府関係者などです。
知名度が高い人たちがたくさん泊まります。
知名度が高い分、混乱を招きます。
イスラム過激派は、混乱を招きたいのです。
だから、知名度が高いものを狙う作戦があります。
理由は、知名度が高いと、その分、混乱が大きくなるからです。
混乱が大きくなれば、その国のモノが売れなくなったりするから、経済面にダメージを与えることも出来ます。
そういう形の戦争なのです。
シリア電子軍も大きな混乱を招きたいから、知名度が高いものをハッキングするそうです。
シリア電子軍を取材したアメリカの報道機関「ヴィセ」が報道してました。
■なぜ、マリのテロ事件はイスラム国ではなくアルカイダ系組織が活動したのか?
基本的に、アルカイダとイスラム国は同類です。
イスラム国は、アルカイダから分派しました。
ムジャーヒディーン・シューラ会議というアルカイダの上層部の会議で、
アルカイダを分派させて、新しい連立グループを作ろう!と決まりました。
イスラム過激派の間では、歴史的な有名な会議です。
その会議のおかげで、イスラム国が生まれました。
【ムジャーヒディーン・シューラ会議とは】
アルカイダなどのイスラム過激派が
テロ事件計画や人事等を決める彼らの会議のことです。
会社など大きくしようと思ったら、子会社を作ったり、役割分担しますよね?
それと同じ仕組みづくりをしたのです。
大きくしたいのなら、みんなで手分けして役割分担するのは、自然の流れですよね。
そのグループの名前が、みんな同じではなく、アルカイダや、イスラム国など、それぞれ違う名前なのです。
みんな同じ名前だと、整理出来ないですよね。
だから、それぞれのグループに名前がついてます。
テロの仕事を手分けした、と思えばわかりやすいです。
マリのホテル襲撃、アルカイダ系組織が犯行声明 27人死亡
という「またテロ?」と、目が点になるニュースが流れました。
内容をまとめます。文末に、皆さんの知りたい!に回答する「なぜなに解説」を書きました。
まずは、
AFPBB Newsのまとめから、お伝えします。
■テロ事件の現場は、マリの首都バマコ。
■武装集団の襲撃を受けたのは、高級ホテル「ラディソン・ブル」
■画像は、ホテルから救出された人質を避難させる治安部隊や部隊の車両。
■事件の解説ダイジェスト
西アフリカ・マリの首都バマコ(Bamako)で20日、イスラム過激派とみられる武装集団が高級ホテルを襲撃。
宿泊客ら約170人を人質に立てこもった。
事件は、発生から9時間後に特殊部隊が突入、
人質を救出した。
少なくとも27人の遺体が見つかった。
国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系武装勢力「アルムラビトゥン(Al-Murabitoun)」が犯行声明を出している。
現場のマリ軍当局筋は、「人質事件は終了した。現在はホテルの安全確認作業を行っている最中だ」と述べた。治安当局筋によると、少なくとも27人の人質が死亡したという。救出作戦にはフランスの特殊部隊も参加したという。
■意外なハプニング
作戦には、襲撃を受けたホテル「ラディソン・ブル」からほど近い米国大使館で会議に出席していた米特殊部隊員2人も参加し、米国人人質6人の救出に協力した。
■どんなホテルか?
「ラディソン・ブル」は西アフリカ随一の高級ホテルとして名高く、世界中から実業家や旅行客、政府関係者などが訪れる。
■目撃情報
目撃者は今回の事件について、十数人の武装集団が襲撃してきたと話している。
が、マリ軍当局筋は「テロリスト3人が射殺されたか自爆した」と報告。
容疑者の数は最大で4人だとしている。
■ベルモフタール容疑者が主導か
犯行声明を出した武装勢力「アルムラビトゥン」は、アルジェリア人のモフタール・ベルモフタール容疑者を指導者として、2013年にアルカイダの西アフリカ支部として結成された組織。
カタールを拠点とするテレビ局「アルジャジーラ」が報道した犯行声明録音では、男の声で「われわれアルムラビトゥンは、『イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQIM)』の兄弟たちとともに、ラディソンホテルにおける人質作戦を実行した」と話している。
ベルモフタール容疑者は2013年1月にアルジェリアの天然ガス施設が襲撃され、日本人を含む少なくとも38人の人質が死亡した事件の首謀者とされる。
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わかりやすい!「なぜなに」解説
■なぜ、起きたか?
とても簡単なひとことで回答します。
恨みがあるから。
■誰に対する何の恨みか?
西側諸国全体に対する恨みです。
過去に、イスラム教徒は、西側諸国、つまりキリスト教徒などの西洋人に大量虐殺されてきました。
イスラム教をとなえた預言者ムハンマドは、人を一人殺したら、その国の国民を全員殺したのと同じだ、と説いています。
イスラム過激派は、その教えに従って、今でもまだ、西側諸国に報復しようとしています。
その結果が、テロです。
彼らにとっては、戦争はまだ終わっていないのです。
テロというと、現代用語に感じますが、原因は遠い昔の出来事にあります。
ずっとつながっているのです。
アメリカ主導の有志連合と、少しでも関わると敵と見られて攻撃の標的になります。
問題は、攻撃の順番です。
彼らはどういう基準で、順番を決めているのか?にも、フォーカスを当てて、ずっと調べていかないとなりません。
■なぜ、そのホテルの宿泊客が標的になったのか?
宿泊客は、世界中の実業家や旅行客、政府関係者などです。
知名度が高い人たちがたくさん泊まります。
知名度が高い分、混乱を招きます。
イスラム過激派は、混乱を招きたいのです。
だから、知名度が高いものを狙う作戦があります。
理由は、知名度が高いと、その分、混乱が大きくなるからです。
混乱が大きくなれば、その国のモノが売れなくなったりするから、経済面にダメージを与えることも出来ます。
そういう形の戦争なのです。
シリア電子軍も大きな混乱を招きたいから、知名度が高いものをハッキングするそうです。
シリア電子軍を取材したアメリカの報道機関「ヴィセ」が報道してました。
■なぜ、マリのテロ事件はイスラム国ではなくアルカイダ系組織が活動したのか?
基本的に、アルカイダとイスラム国は同類です。
イスラム国は、アルカイダから分派しました。
ムジャーヒディーン・シューラ会議というアルカイダの上層部の会議で、
アルカイダを分派させて、新しい連立グループを作ろう!と決まりました。
イスラム過激派の間では、歴史的な有名な会議です。
その会議のおかげで、イスラム国が生まれました。
【ムジャーヒディーン・シューラ会議とは】
アルカイダなどのイスラム過激派が
テロ事件計画や人事等を決める彼らの会議のことです。
会社など大きくしようと思ったら、子会社を作ったり、役割分担しますよね?
それと同じ仕組みづくりをしたのです。
大きくしたいのなら、みんなで手分けして役割分担するのは、自然の流れですよね。
そのグループの名前が、みんな同じではなく、アルカイダや、イスラム国など、それぞれ違う名前なのです。
みんな同じ名前だと、整理出来ないですよね。
だから、それぞれのグループに名前がついてます。
テロの仕事を手分けした、と思えばわかりやすいです。